“スマホで撮影した写真を拡大してみると、画像が粗くて全然綺麗に撮影できていない…という経験はありませんか?実はスマホで撮影した写真は、スマホ本体で見たり、SNSなどにアップしたりするのであれば問題ありませんが、拡大してみると思ったよりも綺麗に撮影できていない…ということが多いです。特に画面が鮮明じゃなく、ざらざらしていると感じる人が多いでしょう。実はそれにはISO感度と高感度ノイズが関係しているのです。ここではISO感度についてまとめてみましょう。
【ISO感度とは?】
ISO感度とは、レンズから入ってきた光に対するセンサーの感度を示す数値のことです。ISO感度を高めると光に対する感度が高まるので、暗い場所でも撮影が可能になります。ISOの数値が倍になれば、感度も倍になるのです。その一方でISO感度を高めすぎるとノイズだらけになってしまうため、画質の低下を招くというデメリットもあるのです。つまり単にISO感度を高めればよい写真が撮影できるかというとそうではありません。
【ISO感度が高いことによるメリット】
写真の明るさを決定する要素は
・F値(絞り値)
・シャッタースピード
の2つによって決まりますが、それにISO感度が加わることで「シャッター速度をより速くすることができる」ようになります。例えば太陽光が入らない室内撮影においては、十分な光を取り込むためにシャッタースピードを遅くする必要があります。しかしシャッタースピードを遅くしすぎてしまうと、手ブレの影響を受けてしまうため、写真がブレてしまうでしょう。室内や日陰など光が少ない場所での撮影の際にISO感度を上げてあげれば、暗い室内であっても手ブレを回避できる速度でシャッターを切ることができるのです。
【ISO感度が高いことによるデメリット】
ISO感度は上げれば上げるほどよい‥というわけではありません。ISO感度を上げ過ぎてしまうとノイズ(ザラつき)が増えてしまうのです。このISO感度を上げた時に発生するノイズを「高感度ノイズ」と呼んでおり、ノイズの量は画素サイズが小さくなればなるほど多くなります。つまりデジタル一眼レフに比べて、スマホカメラは画素サイズが小さいため、ノイズが発生しやすいです。
【ISO感度の具体的な数値とは?】
ISO感度の一般的な目安は以下の通りです。
・ISO感度が100~400:日中の屋外撮影
・ISO感度が400~800:日中の屋内撮影や日陰のスナップ写真
・ISO感度が600~3200:星景写真・夜間の風景撮影
・ISO感度が3200~:飛行機など夜間の動体撮影
この値はあくまでも目安であり、撮影するシーンや被写体の状況に応じて適切なISO感度の設定を探し出しましょう。
【ISO感度に注意してカメラ撮影しよう】
ISO感度に関して抑えておきたいポイントは以下の通りです。
・シャッタースピードが遅くなると明るく撮影できる
・シャッタースピードが遅くなると、手ブレしやすくなる
・明るさが足りない屋内や夜間の撮影では、ISO感度を上げる
・ISO感度は上げすぎると、ノイズが入りやすくなってしまう
ISO感度に関して最低限の知識を持っておくことで、夜間撮影や暗い場所、屋内での撮影テクニックに差が出てきます。最適なISO感度と仕上がりの関係を自分でマスターしてみましょう。
【高画質撮影を実践したい!スマホカメラでの室内・夜景撮影のポイントをレクチャー】
ISO感度についてのポイントを分かったところで、室内・夜景撮影のポイントを徹底レクチャーしましょう。
<マニュアル撮影モードを利用しよう>
Androidではホワイトバランス、シャッタースピード、ISO感度の設定ができるスマホ機種が多いです。また高機能なカメラアプリやマニュアル撮影モードが使える場合には、マニュアル撮影モードを利用してみましょう。
<ある程度の黒つぶれは割り切る>
ノイズだらけの写真になるよりは、ある程度の黒つぶれは割り切った方がよいでしょう。黒つぶれになった部分は切り捨て、メリハリのある写真を撮影するのがおすすめです。
<窓から漏れる光などを活用しよう>
被写体に少しでも光を当てられる場所、時間帯を選んで撮影するのがおすすめです。
<フラッシュを効果的に使おう>
夜景ポートレートでフラッシュを使えば、背景の街の明かりと被写体の明るさのバランスが取れた写真を撮影しやすいです。
<ナイトモードなどの夜景撮影機能を活用しよう>
iPhoneにはナイトモードなど夜景撮影向けの機能があります。このナイトモードは、スマホ内部で複数枚の写真を合成し、ノイズを目立たなくさせてくれる機能です。”